鰹節のお話
鰹節ができるまで
同じかつおでも、鰹節に向くかつおとそうでないかつおがあります。 大きさ、鮮度、脂肪のつき具合を見て判別します。 大きさ、鮮度、脂肪のどれも過ぎても足らなくても鰹節にはふさわしくなく、判断には長年の経験が必要となります。 重さ別に仕分けられ、大きいものは本節用、小さいものは亀節用になります。 |
まず頭を落とし、内蔵を取り除き、3枚におろします。 小さいものはこれで終了となり、亀節になります。 大きいものは、さらに血合いの部分を境に背の部分と腹の部分に切り分け、本節となります。 鰹は傷みの早い魚ですので、すばやく作業を行います。 |
次の工程の「煮熟」をするために、熱のとおりの良い容器の中に、加熱しても形 が崩れないようにおろされた鰹をキレイに並べて行きます。 |
籠立てした籠を重ねて煮釜に入れ、湯温を上げ煮熟します。 鰹の腐敗を防止するためと、タンパク質を完璧に熱凝固させるため煮熟します。 |
煮籠ごと取りだし、風通しの良いところにおいて放冷します。これによって身が引き締まり
ます。 こうしてできた節は「なまり節」と呼ばれます。 |
水を張った水槽の中で、大きめの骨を取ったり、皮をはぎ取ったり、皮下脂肪を 取り小骨の1本1本まで取り除きます。 |
いぶして乾かし、さらに乾燥をすすめて水分を蒸発させていきます。 1回目に行う焙乾を「水抜き焙乾」、2回目以降を「間歇焙乾」といい、培乾の作業は何度も繰り返されます。 また、1番火の後だけ整形が行われます。 生切りの際残った魚肉をすり身にし、これまでに生じた欠損箇所に埋め込み、形を整えます。 焙乾を終了した節の表面にはタールが厚く付着していますが、このタールが節の酸化を防いでくれます。 この段階での節が荒節(あらぶし)と言います。 |
表面のタール分や、形を整えながらしみだしてきた脂肪などを取り去ります。 この段階での節が裸節(はだかぶし)と言います。 |
タールを取った鰹節は、数日間天日で干された後、桶や樽、箱につめられ「カビ
カビの働きで、水分量はさらに減少して旨味成分は凝縮していき、脂肪分も分解されていきます。 最初に発生したカビのことを1番カビ、順次2番カビ、3番カビ……と呼びます。 カビ付けを行った節を「枯節」と言います。 このカビ付け作業を4回ほど繰り返すと、カビは付かなくなります。 カビが付かない節の段階で本枯節(ほんかれぶし)と言い、本当の完成品になります。 本枯節ができるまでは最低でも6ヶ月間を要し、たくさんの手間と時間がかかっています。 |